高野 和明さんの小説『幽霊人命救助隊』を読みました。

自殺して幽霊になった4人が、神様からの指令を帯びて、自殺志願者100人を自殺から救出して、天国を目指すお話です。
こう書くと、なんかとんでもな内容でエンターテイメントって感じがしますが、扱っている話題は自殺とうつ病で、ものすごく深刻です。
その重~いテーマを重くなりすぎないように、笑いも加えつつ、でも真剣に向き合って書いています。
前回、『13階段』を読んだときも思いましたが、高野さんは、ものすごく取材を重ねていらっしゃるな、と思いました。感服します。巻末の参考資料をみると良くわかります。
なので、すごく説得力があるし、説得力があるから面白いというか興味深い。
自殺、多くの人が1度は考えたことがあるのではないでしょうか。僕も何度か考えたことがあります。
でもその多くの人が思いとどまります。
あとから考えると、死ぬほどのことじゃなかった、死ななくてよかったのかも、なんて思いますが、その時は確かに死んでしまいたい、消えてしまいたい、いっそ楽になりたい、と思ったのです。
追い込まれていたのです。
その追い込まれた迷路から抜け出せない人が実は沢山いる。
どうしてそうなってしまうのか?
どうやってそういう人を助けたらよいのか?
この本は物語の形で解説しています。
筆者は解説しているつもりはないのでしょうけれど、これを読むとなるほど~、わかるわかる、と思います。
そして、強烈に社会風刺もしています。そこが面白いというかそこに共感するというか。
世の中狂ってるなと思います。
この本は2種類の人間に読ませたい。
1つはこの本を日本の全ての政治家に読ませたい。
読んでも何も感じないのかれしれないけれど、それでも読ませたいと思う。
それからもう1つは、今自殺を考えている人、死にたいと思っている人に読ませたい。
思いとどまるきっかけになるかもしれない。ならなくてもいいから死ぬ前に読んでみて欲しい。
文庫本なのに分厚くて手に取りにくい本ですが、読んでみて欲しいと思います。
最後は粋な展開で思わず微笑んでしまいました。
お勧めです。
ちょうど今、東京都が「自殺防止!東京キャンペーン」をやっています。
都内の自殺死亡者2700人余りに。いまや交通事故死亡者の9~10倍に上るそうです。。。
すごい数字ですね。
実際にこれだけ多くの人が自殺しているなんて・・・戦争中でもないのに・・・
格差社会の影がここにも現れているのでしょうね。
現実は辛いですね。。。
幸せって何かな?とか、生きるってどういうことかな?とか、いろいろ考えてしまいます。
